和紙のお礼状サービスありがとうポストを始めるにあたり、久保製紙の久保孝正さんにいろいろと話を聞きましたが、そのうち印象に残った話の一つです。

まずおおやけに知られていることは、和紙自体の伝統的な価値の他に、下記の保持団体のこと。

保持団体認定があること

一番有名で生産量も多い福井の越前和紙がユネスコ無形文化遺産に記載されなかった理由でもあります。
国の重要無形文化財に指定されるには、保持団体が必要となり、小川町、東秩父村周辺の場合は「細川紙技術者協会」がそれにあたります。

Wikipediaの人間国宝を見ると、和紙の
重要無形文化財保持者(個人)は下記の4人となってます。
どれも和紙として有名ブランドのものですね。

越前奉書 – 八代岩野市兵衛、*九代岩野市兵衛
雁皮紙 – 安部榮四郎
土佐典具帖紙(てんぐじょうし)-*濵田幸雄(はまださじお)
名塩雁皮紙 -*谷野剛惟(たにのたけのぶ)

そして、工芸技術分野における「保持団体認定」を見ると、下記の3箇所なっております。

細川紙 – 「細川紙技術者協会」
石州半紙 – 「石州半紙技術者会」
本美濃紙 – 「本美濃紙保存会」

これは、ユネスコ無形文化遺産に記載されたものと全く一緒ですね。もちろん偶然ではありません。

団体が必要というのは、将来的に残していく態勢である等の理由があったようですが、これを受けて越前和紙の方でも団体認定を受けようという動きがあるようです。

そして私が職人さんより聞いた細川紙がユネスコ無形文化遺産に選ばれた隠れた理由は

和紙づくりを辞めやすい環境であるから

なぜ辞めやすいかというと東京に近いから。小川町駅からは1時間ちょっとで池袋に行けます。

東京(江戸)に近いことが小川町の利点であったわけですが、逆にそのせいで、和紙つくりで食べていくのが苦しくなったら、東京で働ける環境にあるため、和紙づくりを辞めやすい環境であるとも言えます。

また小川町は、服のしまむらや、スーパーのヤオコー発祥の地でもあります。商業も発展していますので、東京に行かなくとも仕事は見つかりそうですね。

こんな理由もあるとは、話を聞くまで思いもしませんでした。

ありがとうポストで用いられている「小川和紙」のスペシャルコンテンツ。
その伝統と技術に深くフォーカスし、紐解いています。